普段、お出かけの際や夜食で何気なく食べている握り飯、お弁当の定番メニューでもあります。みなさんは「おにぎり」と呼びますか?それとも「おむすび」と呼びますか?基本的には同じもので、どちらもご飯を握った「握り飯」を丁寧にした言葉のようです。
古代日本では天地万物あらゆるものを生み出す神様「産霊の神」を信仰していて、当時の人々は、尊い作物であった米を炊いて握ったものを産霊の神へ供えていました。室町時代頃になると、宮中の女官たちの間で「むすび」と呼ばれ、丁寧に「お」をつけて「おむすび」になったという説があります。
一方、おにぎりは、武士が携行する握り飯が、こちらも「お」をつけて丁寧に「おにぎり」と呼ばれるようになったと言われています。より古くからあったのは「おむすび」のようですね。
では、違いは何なのでしょうか?
「おにぎり」=”握り飯”が転じたもの→形はどんなものでもOK
「おむすび」=神様の力を授かるためにお米を山型(神の形)に象ったもの→三角形でなければいけない
日本国内での呼称も地方によってそれぞれで、大部分の地域では「おにぎり」が一般的な呼び方に対し、関東から東海道にかけては「おむすび」が優勢。ただ、東京と神奈川では「おにぎり」の方がメジャーなんだとか。
6月18日は「おにぎり」の日。
日本最古のおにぎりの化石が出土した石川県旧鹿西町(ろくせいまち)にちなんだ6(ろく)と「米食の日」の18日を併せて制定されました。今のようにご飯を握って海苔で巻いた形が定着したのは海苔の生産・加工技術が発達した江戸時代中期になってからだそうです。
1月17日は「おむすび」の日。
この日の由来は1995年1月17日に発生した阪神大震災です。寒く、食べ物もなく、厳しい時期に避難生活を強いられた人々に配られたのがおむすびでした。ボランティアの人たちによって行われる炊き出しの中でもすぐに、そしてどこでも食べることができたのがおむすびだったというわけです。この震災での経験をきっかけとして、お米やごはんの大切さを見直す運動が行われ、設立されたのが「ごはんを食べよう国民運動推進協議会」です。人と人の心を結ぶということからも、震災発生日の1月17日を「おむすびの日」と定めました。
片手で食べることが出来るので、スマホ片手に食事をとる忙しい現代人にもうってつけですね。コンビニでも片手で気軽に食べることができるという点から、アメリカンドッグやフランクフルト、棒に刺したから揚げなどが売れているようです。
行儀はよくありませんが。
丁寧に「お」をつけておきます。お行儀がよくありませんね。
おにぎりとおむすびの違いでした。